「顛末書ってどういうもの?」「顛末書はどう書いたらいいの?」とお悩みではありませんか?
顛末書とは、ミスや不祥事の事実をまとめる報告書で、客観的な視点から事の顛末を報告するための書類です。
私は以前、仕事で少しばかりきつめに怒られるミスをしてしまいました。
大きな損害には至らなかったので、処分が行われることはありませんでした。
しかし、無視できるような事柄でも無かったため、上司から顛末書を書くようにと言われたのです。
正直に言うと、顛末書は聞いたことはあるものの、書いたことはなかったので困りました。
ただ、初めての私でもWEB上のテンプレートを使ったり、記入例を見て、何とか書ききって提出することが出来たのです。
そこで当記事では、顛末書の作成が必要な方に、顛末書の概要や失敗しない書き方を解説しています。
始末書との違いや、顛末書を書く時の注意点も解説しているので、ぜひ参考にしてください。
当記事を読めば、顛末書がどういうものか分かり、テンプレートを使ってすぐに作成できます。
1.顛末書とは?
仕事でトラブルが発生した際、場合によっては「顛末書(てんまつしょ)」という書類を会社に提出しなければなりません。
顛末書とは、ビジネスの場で起こったミスや不祥事に関して、その概要を記した書類のことで、発生した問題の全容を細かく会社に伝えるために、トラブルが一段落した後に作成します。
トラブルの経緯を詳細にまとめ、今後同じような事態の再発を防ぐのが、顛末書を作成する目的です。
・顛末書が必要になるケース
顛末書の提出が必要になるケースとして、以下のような例が挙げられます。
- 会社の事務手続きに問題があった。
- 自社の商品やサービスに関する問題が発覚した。
- 従業員の手違いで発注ミスが起きた。
- 社内システムに不具合が発生した。
上記のようなケースでは、ミスを犯した者に対して、厳しい処分が下されるわけではありません。
しかし、問題の詳細を会社側が把握できるよう、上司から顛末書の提出を求められる可能性が高いです。
1-1.顛末書と始末書の違い
顛末書とよく似た書類に「始末書」があります。
どちらも、トラブルの発生に付随して提出を求められる書類です。
しかし、書類を作成する目的はそれぞれ異なります。
顛末書を提出する目的は、問題の全容を把握し、再発を防ぐことです。
一方、始末書は問題を起こした者が、謝罪と反省の意を示すために作成します。
ミスを謝罪する反省文としての役割を担うのが、始末書です。
また、書類が作成される時期も、顛末書と始末書で異なります。
顛末書はトラブルが落ち着いた後に作成しますが、始末書は問題が起こってから間を置かず提出しなければなりません。
そして、提出する対象にも違いがあります。
顛末書は自社にいる上司に提出する書類です。
それに対し、始末書は社内だけでなく、場合によっては社外へも提出します。
2. ダウンロードしてすぐ使える!顛末書テンプレート
2-1. 顛末書の記入例
会社から顛末書の提出を求められた場合は、以下のような内容を記載します。
これと同様のテンプレートが当ページからダウンロードできますので、ぜひご利用ください。
〇〇部長 〇〇 様
このたび、自社で発生した〇〇に関しまして、下記の通り詳細をご報告いたします。
- 事故の経緯:〇月〇日、〇〇にて機械の不具合が発生しました。(日時、場所、出来事を記載)
- 損害状況:〇〇により問題が発生しましたが、被害は少なく、今後の業務に支障はないと報告を受けました。(被害の状況や原因を記載)
- 現状の対応:不具合の見られた機械に対し、修理の手配をいたしました。(問題にどう対処したか記載)
- 今後の対策:改めて機械を見直し、従業員に対しても再発防止を目的とした安全会議を実施いたします。(これから行う対策や、再発防止策を記載)
- 担当者の意見:不具合の発生によりご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ございません。幸い被害は大きくありませんでしたが、今後同じような事態が起こらないよう、再発防止に努める所存です。(最後に担当者の意見を記載)
上記の例を見ながら、顛末書のポイントをチェックしていきましょう。
3.顛末書を書く時の5つのポイント
顛末書を作成する際は、以下の5つの要素をしっかりと文章に盛り込みましょう。
- いつ、どこで、何が起こったのか(日時、場所、出来事)
- 被害や損害の程度(現状、原因)
- どう対応したか(対応策)
- 今後の対策(対策)
- 担当者の意見
上記の要素を含めたうえで5W1Hを意識し、客観的に分かりやすい文章にまとめることが大切です。
それぞれのポイントについては、以下で詳しく解説していきます。
3-1. 日時・場所・出来事
日時と場所、そして発生した出来事の内容は、顛末書に必ず記載しなければなりません。
これらの要素が書かれていなければ、顛末書を読んだ人に問題の詳細を把握してもらえないからです。
顛末書作成の基本として、これらの情報の記載を忘れないようにしましょう。
3-2. 現状・原因
次に、問題が発生した後の現在の状態や、トラブルの原因を顛末書に記載します。
被害や損害の程度を簡潔に記し、関係者の現状について文章の中で触れてください。
また、ここで問題の原因を明確にしておくことで、今後の対策について書きやすくなります。
3-3. 対応策
発生した問題に対して、どのように対応したかも記入します。
たとえば、自社の商品に問題が発覚した後、異常の見られた商品を顧客から回収した場合、その旨を記載してください。
行った対応の内容を、具体的に記すことが大切です。
3-4. 今後の対策
問題の再発を防止するのが顛末書を書く目的の1つなので、今後の対策に関する項目は重要です。
同じことが再び起こらないよう、どのような対策が必要なのかを記載します。
これから実施を予定している対策の内容について、詳細に記してください。
3-5. 担当者の意見
顛末書の締めくくりとなるのが、担当者の意見です。
問題が起きてしまったことに対する謝罪の文は、ここで記しておきましょう。
再発を防ごうとする意志も、上司にしっかりと伝えます。
4.顛末書を書くときの3つの注意点
顛末書を書く際に注意したいポイントは、以下の3つです。
- 会社の規定を確認する
- 客観的に分かりやすく書く
- 偽らず書く(嘘を書かない)
それでは、それぞれのポイントについて、詳しく解説していきます。
4-1.会社の規定を確認する
会社によっては、顛末書のフォーマットが用意されている場合があります。
そのため、顛末書を書くことになった場合、まずは会社の規定を確認しましょう。
あらかじめフォーマットが用意されていれば、それをもとに顛末書を作成することが可能です。
4-2.客観的に分かりやすく書く
作成した顛末書は、上司をはじめとした第三者が読むことになります。
そのため、誰が読んでも理解できるよう意識しながら、文書を作成することが大切です。
自分が分かることはつい省略してしまいがちですが、読む人にとっては1から説明してもらわないと理解できない場合もあります。
起こった問題について詳しく知らない人でも理解できるよう、客観的に記載しましょう。
4-3.偽らず書く(嘘を書かない)
顛末書に嘘を書くのは好ましくありません。
自身が問題を引き起こした当事者である場合、上司に伝えたくないこともあるでしょう。
しかし、怒られたくないがために真実を隠しても、そのことが明るみに出れば、怒られるだけでなく、今後自身の立場が悪くなるかもしれません。
そのため、顛末書にはトラブルの内容を偽らず記載するのが最善です。
5. 顛末書を提出するときの2つの注意点
顛末書を提出することになった場合、以下の2つの点に注意しましょう。
- 出来るだけ早く提出する。
- 宛名や作成者の記載を忘れない。
ここからは、上記の注意点について解説していきます。
5-1.出来るだけ早く提出する
顛末書の作成を求められたら、可能な限り早く提出しましょう。
提出が遅れると、上司に与える印象も悪くなります。
もちろん、早く提出した方が良いからといって、顛末書の内容に漏れがあってはいけません。
書類のクオリティと提出のスピード、この2つを意識することが大切です。
5-2.宛名や作成者の記載を忘れない
顛末書を提出するときは、書類に宛名や作成者を記入することを忘れないようにしましょう。
日付や宛名、作成者の記載は、ビジネス文書における基本です。
誰に向けて提出するか、文書を作成したのは誰なのかを、顛末書の初めにきちんと記します。
ビジネスの場にふさわしい形式で書けているか、書類の提出前にもう一度確認してみてください。
6.顛末書の書き方と注意点まとめ
最後に、当記事で解説してきた内容をまとめます。
- 顛末書はトラブルの詳細を把握し、問題の再発を防ぐために作成される書類。
- 顛末書によく似たものとして、問題に対する謝罪や反省の意を伝えるための始末書がある。
- 顛末書の提出は、問題がある程度落ち着いてから行う。
- 顛末書を書く際は5W1Hを意識しながら、客観的な文章を作成する。
- 上司から顛末書の提出を求められた場合、迅速に対応するのがベター。
会社員として組織に属していると、顛末書を作成する機会が訪れるかもしれません。
もし顛末書の提出が必要になったときは、当記事の内容を参考にし、分かりやすい書類を作成しましょう。
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