「Excelで標準偏差ってどうやって求めるの?」
「stdevpp関数とstdevs関数の違いって何?」
例えば、テスト結果を他人と比べる場合に平均を使うことが多いですが、平均だけでは必ずしも正しい評価はできません。
そんな時に使われるのが標準偏差で、平均よりも正確に評価をすることができます。
しかし、標準偏差の計算って難しいというイメージがないですか?
ここではまず、標準偏差とは何かをわかりやすく説明しています。
そして、エクセルで標準偏差を求めるための式や、標準偏差を求める関数stdevp関数とstdevs関数の違いと使い方について解説します。
これを読めば、エクセルで簡単に標準偏差を求めることができるようになりますよ。
標準偏差の求め方
始めに、「標準偏差とは何か」と「標準偏差を求めるための式」をみてみましょう。
標準偏差とは?
まずは、標準偏差(σ シグマ)についてです。
標準偏差とは「データのばらつきの大きさを表す指標(目安)」のことで、σ(シグマ)またはsとも表されます。
ただし「データのばらつき」と言われても分かりづらいので、一つ例をみてみましょう。
上の表は、受ける人と内容を変えて行った国語のテスト2つの結果です。
まずは、このデータを分析によく使われる「平均」で見てみると、データ1データ2ともに54点でした。
この時、平均点を上回るという理由で、データ1の70点の人、データ2の70点の人はともに「よい点数を取った」と評価されるべきでしょうか?
結論から言うと、データ1のほうは「評価されるべき」ですが、データ2は「評価されるべきではありません」。
なぜなら、データ1は受けた人がみな点数をとれていないので、「難しい問題だった」と予想されます。
これに対して、データ2は満点を取っている人と1点も取れていない人が2人づついるため、「できる人とできない人の差が大きい問題だった」ということになり、できる人に比べて70点は決して高い点数だとは言えないからです。
もっと分かりやすく説明すると、例えば、データ2はひらがなの書き方のテストなのに、0点の2人は日本語を全く知らない外国人だったとなれば、70点の人は褒められるものではないでしょう。
つまり、一般的によく使われる「平均」は、必ずしも万能ではないのです。
そこで使われるのが「標準偏差」です。
標準偏差でデータのばらつきを見ることによって「多くの人が収まる範囲(誤差)」を確認でき、例であれば「国語のテストを受ける人のレベルが同程度かもしくは差が大きいのか」が分かるのです。
標準偏差を求めるための式
では次に、標準偏差を求めるための式を見てみましょう。
まず、標準偏差は次の公式で求めることができます。
s=√(1/n) ∑_(i=1)^n▒〖(x_i 〗-x ̅)^2
標準偏差を求めるための計算は、「各データの平均との差を2乗したものを足し、データ総数で割ったものの平方根を求める」というものですが、文章だけでは難しいので実際に計算してみましょう。
先ほどの例、データ1の標準偏差を求めてみます。
=√(((58-54)^2+(70〖-54)〗^2+(40-54)^2+(50-54)^2+(52〖-54)〗^2)/5)
=√((16+256+196+16+4)/5)
=√(488/5)
=√97.6
=9.879271…
つまり、データ1の標準偏差は「約9.88」であるということが分かります。
標準偏差を求めるための関数stdevを解説!
続いて、エクセルで標準偏差を求めることができる関数「stdev関数」について使い方などを見てみましょう。
標準偏差を求める関数stdev.p関数とstdev.s関数の違い
一口にstdev関数と言っても、2010以降のエクセルでは「stdev.p関数」と「stdevp関数」、「stdev.s関数」と「stdevs関数」の4種類があります。
まず「stdevp関数」と「stdevs関数」は、エクセル2010以前に使えた関数です。
互換性の関係で2010以降でも使えますが、2010以降では「stdev.p関数」と「stdev.s関数」を使うようにしましょう。
そして「stdev.p関数」と「stdev.s関数」の違いですが、「stdev.p関数はすべてのデータ(母集団という)をもとに標準偏差を求める際に使う」関数に対して「stdev.s関数は一部のデータかをもとにすべてのデータを推測し標準偏差を求める際に使う」関数です。
つまり「stdev.p関数」はすべてのデータがある時、「stdev.s関数」は一部のデータしかない時に使うと考えましょう。
なお、一部のデータから全体を推測するには統計上必要なデータ量がありますので、「stdev.s関数」を使用する際には注意してください。
stdev.p関数の使い方
では始めに「stdev.p関数」の使い方を見ていきましょう。
stdev.p関数の構文は次の通りです。
stdev.p(数値1,数値2…)
数値1 | 平均値を求める範囲または値1を指定 |
数値2 | 平均値を求める範囲または値2を指定 |
使い方は簡単で、カッコ内でデータの範囲を指定すればOKです。
これで、母集団すべてをもとにした標準偏差を求めることができます。
stdev.s関数の使い方
次に「stdev.s関数」の使い方を見ていきましょう。
stdev.s関数の構文は次の通りです。
stdev.s(数値1,数値2…)
数値1 | 平均値を求める範囲または値1を指定 |
数値2 | 平均値を求める範囲または値2を指定 |
これも使い方は同じで、カッコ内でデータの範囲を指定すればOKです。
これで、一部の母集団をもとにすべての母集団を推測した上での標準偏差を求めることができます。
まとめ
以上、エクセルの標準偏差について、標準偏差とは何か、標準偏差を求めるための式と計算方法、そして標準偏差を求めることができるエクセル関数stdevについて違いと使い方を解説しました。
標準偏差を求めることができるようになれば、平均だけで行っていた時よりも分析のレベルが高くなり、よりよい対策をうつことができるようになります。
何度も使用することで使いこなせるようになりましょう!
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